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『肉体の地獄』後編について、ご質問をいただいたのですこし補足です。
NAJIさん、ありがとうございました!

Q.南郷さんはしげるさんのことは好きだけど命を救ってもらった恩義を感じて手が出せないんですかね?それとも偽りの叔父と甥の関係をあくまで続けていたいとか・・・。

A.南郷さんがアカギと寝なかったのは、「アカギを金で買いたくなかったから」です。

 すごくいい質問をありがとうございます!
 
 南郷さんがアカギと寝なかったのは、「アカギを金で買いたくなかったから」です。
 後編での再会のとき、喫茶店でアカギは「すっからかんなんだ」「おれを買ってよ」と言っています(そしてたぶん、「コーヒー代もないほどすっからかん」というのは口からデマカセです)。そして南郷さんはコーヒー代、定食屋での食事代、タクシー代を払っています。ここでアカギにいわれるまま関係したらアカギを飲食代で買ったことになる。そして、川田組でのギャンブルの後、「あんたにされたことが忘れられなくてウリ(売春)をしていた」とそそのかされてアカギを抱いてしまったときの繰り返しになる。…と考えた南郷さんは「俺の気も知らないで」とアカギを拒絶します。南郷さんはここでアカギを抱いてしまうと、結局また『騙す/騙される』の関係に戻ってしまうこと、天才に騙されるその他大勢の一人になってしまうことをなんとなく悟って、回避したのです。

 NAJIさんの言うとおり、南郷さんはアカギが嫌いではないです。嫌いだったら迎えにいったり、部屋に泊めたり浴衣用意してあげたりしないわけで。無意識に「アカギともう一度関係したい」下心も多少あると思います。アカギの存在とか、アカギとの行為を嫌悪しているわけではないです。
 だからアカギがまた連絡をくれたときは、素直に嬉しかったと思いますよ。あのときの誤解とか、わだかまりを解きたくて会いに行った。なのにしげるが「おれを買ってよ」と、あのときと同じことを言ったので、一気に気持ちが硬化して、その後ちょっとした「叔父気分」を楽しんでうれしかったものの、結局アカギは体を求めてくるから、「俺が望んでいるのはそういうことじゃないよ」と。
 だから南郷さんが拒絶したのは、アカギとのセックスというより、人間関係を金づく勝負づくで考えてしまうアカギの『癖』みたいなもの、ということを考えて書いていました。俺と寝たいんなら、「俺を買ってよ」じゃなくて、もっと言いようがあるだろうよと。

 ただどっかで、アカギの意思とは無関係に「偽りの叔父と甥の関係」を続けたかった、というのもあるだろうし、「馬鹿にするな!」みたいな気持ちもあるし、若い同性と交渉することへの抵抗感もあると思います(南郷さんだってまだ二回しか致していないので…もしアカギが女の子で、悪かったよっていいながら口付けしてきたら、そりゃ南郷さんだってハラをくくります)。
 なので正解というのはないし、それぞれ読んだ方に想像していただければいいのですが、あえてわたしが考えていたところをまとめるとこんな感じです。南郷さんがアカギと寝なかったのは、応じればアカギを飲食代で買うことになる、そんな関係は対等じゃない、と感じたからです。

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