「パチンコやめちまえ」に思う。

同人界では目の敵にされている石原さんですが、原発事故を受けた節電のために「自動販売機なんてやめちまえ。コンビニで買って家で冷やせばいいじゃない」「パチンコはジャラジャラと音を立てるために電気を煌々とつけるのは、世界中で日本だけだ」と9日の街頭演説で言ったそうですね（「自販機、パチンコやめちまえ」 石原都知事の発言が大反響http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jcast-92759/1.htm）。

わたし以前パチンコ店で働いていましたが、都知事が正しいのか間違っているのかはともかく、パチンコ業界は情報開示が少ないから、こういうとき大衆に味方してもらえないのは仕方ないと思います。
勇気あるなぁ、とも思います。パチンコ業界は雇用も納税もいっぱいしてるのに。
石原氏はカジノ誘致には賛成していたと思うんだけど、彼の中でパチンコ産業はどういう位置づけになってるんだろう。まあ橋下府知事ほど乗り気でもなかったんだろうけど。それともお上品なギャンブルはいいけど、お下品な博打はだめなのか。

それで思ったんですが、残念だけど今の日本では、パチンコも漫画も同人も、ノンユーザーや石原氏の世代の人にとっては「よくしらない、なんだかいかがわしいもの」なのかもしれませんね。漫画やゲームを規制してほしくないけどパチンコの営業自粛には賛成っていう人はいるだろうし、表現の自由なんて正直興味はないがパチンコがしたいという人もいるんだろうなぁと思うとなんだか複雑になってきました。
しかも、「節電のためにパチンコは自粛すべき」と考える石原氏に同調する人には、結構おたくも含まれるんじゃないかなーと思います。当て推量ですが。おたくでギャンブラーって割合的にはそんなに多くはないですし、本来子どものものであるアニメをパチンコ台にすることに嫌悪感を感じる人もいます。

アカギも「死んじまえっていうのは殺されてもいいということ」だと言っていましたが、パチンコが好きな人も同人を生きがいにしている人もいるわけで、どちらに優位性があるとか、社会的に正しいとかないような気がします。
ちなみにわたしはパチンコで働いてはいましたが、結局パチンコっていう娯楽は好きになれなかったし、いやな思いもいっぱいしたし見てきたし、時代が要求する公平性と情報公開をしないなら滅びろとすら思っていますが、だからって自由経済の社会で、パチンコ業界だけ節電しろ！っていうのも変な話だなーと考えるだけです。

ノンユーザーにいかがわしいもの、反社会的なもの、と思われている限り規制される恐れはあるだろうし（むしろいかがわしくてなんぼのものですし）、ギャンブラーを差別したら差別し返されても仕方ない気がします。
少なくとも政治とか興味ないし投票には行かないし節電のために他の人の楽しみがなくなってもいいけど自分の楽しみ（漫画やゲームや同人）は規制されたくないっていうのはわがままですよね。今回の都知事選で多くの人がそれに気づいてくれたらいいなーと思います。